2025年8月のフェロシリコン価格動向：不安定な月

2025年8月におけるフェロシリコン市場は、小幅な上昇から始まったが、月の後半には明らかに下落しており、全体として不安定ながらも軟調な傾向を示した。寧夏地域におけるFeSi75-B（天然塊）の平均価格は、8月28日時点でトン当たり約5,310元となり、月当初から比べて3.20％の下落となった。月末には、陝西や寧夏など主要産地における72#フェロシリコン天然塊の価格はトン当たり5,250～5,350元の範囲で推移し、75#フェロシリコンはトン当たり約5,800～5,950元で取引されていた。

この価格変動にはいくつかの要因が影響した：

・下流需要の弱さ：主要な下流セクター、特に製鋼業界からの需要は全体的に弱かった。調達意欲は低く、取引は主に即需給に基づいて行われた。
・在庫圧力の高さ：市場は大きな在庫圧力に直面しており、倉庫入荷量が非常に多かった。
・先物市場の影響：フェロシラン先物価格の継続的な下落は市場心理に悪影響を及ぼし、慎重な雰囲気を生み出し、現物市場で低価格資源が出現した。
・原価面での下支え：市場は半焦炭などの原材料からある程度の原価下支えを受けた。ただし、電力価格の調整が一部地域で予想されており、今後の生産コストに影響を与える可能性があるため、電力コストなどの要素も注視されていた。